The Power House

1986年、音響エンジニアのケイリー・テイラーを中心とした起業家たちは新しい形のアートレコーディングスタジオを設立した。

西ロンドンのとある建物に目をつけた創設者たちはゲイリー・ランガンとカリム・クレイトンとともに、最初の改築デザイン案を建築家チームに依頼した。

選ばれた場所は1901年に建てられた巨大発電所の一部で、かつては西ロンドンで最初の路面電車に電力を供給していた。それは若き建築家ウィリアム・カーティス・グリーンによってデザインされた建物であったが、路面電車はほんの数年で廃止され、発電所自体もやがて荒廃していった。屋外にあった倉庫はのちにバス停として再利用される一方で、メインの発電所は修復されないまま時は過ぎた。

1984年にポーウェル・タック・アソーシエイツはスタジオを外側の層に、あいだに植物やカフェ、バー、娯楽施設を配置するサンドウィッチ構造を発案。この仕組みはそれぞれのスタジオで音響を確立できる上に空きスペースを活用できる画期的なものであった。そして、かつて栄えた発電所のスケールの大きさとそのドラマの名残である西に面した二枚の大きな窓からは日光が最大限に差し込むことを可能にした。

1980年代からレコーディングスタジオではレコーディングスペースよりコントロールルームが重要な役割を果たすようになる。そこでメトロポリスはコントロールルームを各スタジオの中枢に配置する革新的アイディアを生み出した。

もともとStudio Aは膨大な量のミキシングコンソールを収容するために設計された空間であった。
開放感のある音響効果の高いスタジオがコントロールルームを取り囲む。スタジオとコントロールルームの上には利用者のためのプライベートルームが完備されている。
スタジオの内層は音の吸収、軽量化、反響に順応するように設計されていて、音響効果をさらに高めるものだ。アトリウムの大きな二枚の窓から差し込む光はスタジオまで届く。

建築とデザインのPowell Tuck Associates, ‘After Metropolis’より引用。

今日のメトロポリススタジオ...

今日、メトロポリススタジオはクリエイティビティーの中心地として賑わっています。2012年に現取締役であるケーン・クレメンツはメトロポリススタジオを買収した同年、ミュージシャンと音楽業界人のための学校Academy of Contemporary Music(ACM)を設立しました。
メトロポリスは急成長し続ける音楽学校と提携を結ぶ世界で唯一の成功した音楽スタジオです。